竹田市名物「はら太餅」の製造・販売を行う和菓子店『生長堂(せいちょうどう)』が、後継者がいないことや原材料価格などを理由に2024年6月2日(日)をもって閉店することとなりました。
「はら太餅」とは?
「はら太餅」は竹田・直入地方に古くから伝わるもので、上品な甘さの小豆餡を、餅粉や小麦粉などを竹田の名水でのばして作った透明感のある生地で包んだお菓子です。
由来には諸説あると言われていますが、家来とはぐれた岡藩主の中川公が空腹で難儀していた際、一人の娘から貰ったもちを食べ「腹が太った(=満腹になった)」と喜んだことからその名前が付けられたという話もあります。
生長堂について
『生長堂(せいちょうどう)』の創業は大正11年。
販売は竹田市城下町交流プラザ近くの生長堂本町店で。
製造はそこから200mほど離れた生長堂はら太餅工場で行っており、現在は店主の進藤道昭さんと妻・千恵子さんの2人で切り盛りしています。
生長堂本町店には以前の新聞記事も。
「はら太餅」を始め、昔と変わらない手作り・無添加の懐かしさを感じる素朴な味わいの和菓子が幅広い年代に支持されてきました。
生長堂本町店の店内のガラスケースにはいつも多くの和菓子が並んでいましたが、新聞に閉店の記事が掲載された後は客足が途切れないということで、この日は午前中に伺ったにも関わらずほぼ売り切れの状態。
店を訪れた方の声
仕事で昨年4月に竹田市へ来たという男性は「竹田市名物のはら太餅やこのお店の雰囲気が好きでよく通っていた。サンドイッチの今勢家や川口自由堂、そして生長堂と竹田市に根付くお店が次々となくなってしまうのは残念だが、美味しくいただこうと思う。」と話してくれました。
近くでシェアハウスを営む夫婦は「ここは餡子が甘さ控えめで美味しくて、よく子どもたちのおやつにはら太餅を買いに来ていた。」と話します。
また「私たち大人は生地がふわふわ、ふかふかで、甘辛い阿蘇高菜が入った”たかな万十”が大好きだった。」という話も。
そして正午頃、工場から追加の商品を運んできた方々が。
聞けば、生長堂の進藤さん夫婦とは大分物産展で出会い意気投合し、十数年前から中津市の道の駅「耶馬トピア」で生長堂の商品を販売してきた付き合いがあるのだそう。
「優しく美味しい味わいで道の駅でも人気があったので、なくなるのは寂しい。」と話してくれました。
別府から訪れたというご夫婦は、奥さんが店頭に立つ千恵子さんと同郷。旦那さんは20代の頃仕事で竹田市に住んでおり、店主の進藤さんとは野球仲間だっだそう。
「新聞を見て閉店を知った。今日は”ご苦労様”と労いたかった。」と千恵子さんに声をかけていました。
原材料がなくなり次第生産を終了する予定でしたが、思った以上の客足だったため急遽小豆を仕入れ2024年6月2日(日)まで製造・販売を行うということです。
また現在、電話での予約は受け付けていません。
6月1日(土)まで店頭予約のみ受け付けており、6月2日(日)のお渡しが最後になります。
市内外、幅広い年代の方達に愛される『生長堂』の和菓子を味わいたい方は、午前中の早い時間に行くことをおすすめします。
情報はこちら
店名 | 生長堂本町店 |
住所 | 大分県竹田市竹田町386 |
定休日 | 6月2日(日)まで無し |
営業時間 | 09:30-17:00 ※ただし毎日販売分が売り切れ次第終了 |